「遊王 徳川家斉」を読んで!

久しぶりの書評になります。

「遊王 徳川家斉」を読みました。

徳川将軍というと・・・・皆さんのいいたいことはなんとなくわかります。

「徳川家斉」って何代将軍?となりますよね。

今回は、そういうことを書いていきます。

⭐️基本のおさらいとして徳川15代将軍一覧・・・

わたしは歴史が大好きですので、徳川15代将軍一覧の名前はほとんどいえます。

まあ、将軍というと「初代の家康」「3代家光」「犬公方綱吉」「暴れん坊将軍吉宗」「最後の将軍慶喜」あたりが浮かびます。が、15人を羅列してみます。

1:徳川家康 もう説明の必要はないでしょう。戦国の世に終止符をうち泰平の世の礎をつくった。

2:徳川秀忠 家康の息子で、実は秀忠・その息子家光のときに盤石な徳川幕府ができたといわれています。

3:徳川家光 家康の孫。日光東照宮をつくった。生まれながらの将軍で、参勤交代等の仕組みをつくった。

4:徳川家綱 あまり歴史上クローズアップされませんね・・・

5:徳川綱吉 あの「生類憐みの令」で有名。犬公方とも呼ばれるが、実は政に明るかった。

6:徳川家宣 「生類憐みの令」を廃止したが、在位3年と短かった。

7:徳川家継 なんと5歳で将軍に!完全なお飾りになってしまいますよね・・・かわいそう・・・

実はここまでが、家康直系になります。

次の吉宗は「御三家」(紀州徳川家・尾張徳川家・水戸徳川家)の紀州徳川家から出ています。

8:徳川吉宗 享保の改革で有名ですが、なんといっても「暴れん坊将軍」のイメージが強すぎる!

9:徳川家重 あまり身体が強くなかったようです・・・

10:徳川家治 隠れた名君。

11:徳川家斉 今回読んだ主人公。将軍在位50年!これは第一位。

次の徳川家慶あたりから、俗にいう「幕末」になっていきます。

12:徳川家慶 ちょっと目立たない・・・

13:徳川家定 篤姫とか西郷隆盛とかの時代の将軍。

14:徳川家茂 江戸と京都を往復してなんとか幕府存続を試みるも京都で死去。

15:徳川慶喜 徳川最後の将軍。大政奉還。

こんな感じですね。

⭐️徳川家斉は将軍在位50年!

江戸時代は約260年あります。その中の50年、約1/5在位していたのが徳川家斉なのです。

江戸時代初期はまだまだ武士の世の中・・・

それが泰平の世になり、商人がちからを持ち始めます。

そして、商人と庶民の文化になります。

その、商人・庶民の文化がいちばん華やかだった頃が徳川家斉の時代なのです。

いつの時代も「昔はよかった・・・」といいます。

「明治維新」のとき、武家政治から近代日本になっている過度期、その頃の庶民が「昔はよかった・・・」と言っていた時代が実は徳川家斉の時代なのです。

明治維新の約30年前ですから、当時の庶民もしっかり覚えていますよね。

今風にいうと、約30年前ですから、「バブルの時期はよかった・・・」と言っているようなもの・・・

⭐️子どもが53人!

いくら将軍(上様)といっても・・・ハーレム・・・??と勘違いするほどです・・・

でも、子どもが多かったことには理由があります。

将軍家を守るために各方面の大名といい関係をつくるための政略結婚にその子どもを使うのです。(当時の表現なので今の時代にはそぐわない)

とはいっても53人とは・・・もういちいち名前も覚えていないでしょうね・・・

しかし、当時の医学でもその半分は早死にしたそうです。将軍といえどもどうにもなりませんからね・・・

⭐️あえてなにもしない・・・

在位50年の間に対外的にも国内的にもなにひとつ大きな問題はありません。

ちなみに「ペリー来航」は、家斉が死んだ3~5年後になります。もうこの頃から幕府が傾きかけますからね。

そう考えると、家斉の時代は幕府の最後の全盛期となりますね。

そうそう後世に残るような施策等もありません・・・

でもそれがよかったのかもしれませんね。

武士も商人も庶民も生き生きとして過ごしていたのかもしれません。

日頃あまりスポットが当たらない時代に君臨した将軍の本を読んでまた違った江戸時代が見えてきました。

たまにはこういう本もいいですね。