熊本の偉人:石光真清の本を読んで思ったこと

熊本には多くの偉人・歴史に名を残した方々がいます。

その中のひとりである「石光真清さん」の本を読みました。

いつも本を貸してくれたり情報をいただく知人から是非読んで・・・と言われたので。

私も名前だけは知っていました。

読んでみると、感動というか壮大な中によくもこれだけの記録を遺したんだな・・・と感服しました。

そして、熊本市内には「石光真清」が幼少期に暮らした家が現存のまま残っています。

そのあたりも書いていきたいと思います。

石光真清とは・・・

そもそも、石光真清とは何者なのか?”(-“”-)”

そこから入っていきたいと思います。

慶応4年の生まれです。ピンときません。西暦にすると1868年。私が1969年生まれですので、私より101年前に生まれた方です。仮に今生きていれば152歳。そう遠い昔ではありません。

熊本市の本山に生まれたようです。

軍人になり、そこから「ロシア」に興味を持ちます。当時はアメリカ・ヨーロッパよりも、日本のすぐ北にある大国・ロシアのほうが脅威というか興味もあったのでしょうね。

そこから、ロシアの諜報活動をするようになります。諜報というと「スパイ」のようなイメージですが、日本軍の出先機関のようなものです。

大陸を何度も行ったりきたりします。今のように空路があるわけではありません。そして、鉄道も今のように整備されていません。

冒頭に書いていますが、こういう劣悪な環境の中に、これだけの記録を遺しているのが本当に素晴らしい!

洗濯屋や写真屋になりすまし、ロシア・ハルピンに溶け込んでいき、現地情報を日本に送ります。

日露戦争では日本海軍がロシアのバルチック艦隊に勝利しますが、このような諜報活動からの情報が効いているといっても過言ではありません。

日本に戻ってからは今の郵便局長になります。ちょっと畑違いですが・・・

そして、安定した平穏な日々を過ごしますが、再度軍からの要望で大陸ロシアに渡ります。ロシア革命の真っ只中です。

革命というのは、ある日上下逆転する・・・ものです。

言葉は適当かどうかわかりませんが、これまで命令する側(主)と命令される側(従)の立場が逆転するのです。

そういうロシアの時勢に翻弄され、なんとか日本に戻ってきます。

これまでに記録したものを石光真清は捨てようとしますが、息子の石光真人が思いとどまらせて預かり、手記という形で出版したものです。

全4巻になります。

読む価値あり!

最初の巻は「城下の人」です。

これは、石光真清幼少の頃で舞台が熊本です。

熊本の方は、馴染んだ地名がたくさん出てくるのでイメージが付きやすいですね。

花岡山から熊本城を望む・・・といった文はパッとイメージできますよね。( ^^) _U~~

熊本城は西南戦争で薩摩軍が焼いたとこれまで思っていましたが、実は違うのです。これは衝撃でした。

詳しくは読んでみてください!!(^^)!

その後、3巻と主に軍人時代やロシア・ハルピンでの活動時代の話しになります。

少しロシアの土地名や名前が長くて難しいところがありますが、そこはしっかり読んでほしいと思います。

熊本市内に記念館がある!

私も今回知りましたが、熊本市内本山(泰平橋近く)に「石光真清記念館」があります。旧家ですね。

熊本市内に詳しい人はわかりますよね。

特に記念館に担当の方がいるわけではありません・・・

ひっそりとしています。ややもすると見落としがち・・・

このように、案内札もちょっと傷んでいます・・・

上の写真の欅(けやき)は、文中にもよく出てくる石光家のシンボルです。今も残っています。

当時は、周囲からこの欅が目立っていたようですが、今では後方に高層ビルもできており、静かにたたずんでいる・・・というような感じなのです。

このように案内があります。

家の中には数々の資料が・・・

ちょっと傷んでいるのがよくわかります。

ちなみに、立ち寄った場合の連絡先はこちらです。

電話して5分くらい待つと警備員の方が来られて開けていただけます。

警備員の方に聞くと、立ち寄られて連絡される方は月に1組いるかいないか・・・とのこと。

その証拠がこちらの記帳。

私が立ち寄ったのが令和2年11月21日。その前の方は令和2年10月?11月?の9日です。

ぼかしていますが、実はその前となると令和元年9月と記帳されていました。

なかなか知らない人が多いのですね。

熊本市はもう少しこのような歴史に名を遺した方の広報をしてもいいのでは?とも思います。(今はコロナ禍で難しいでしょうが・・・)

1998年に俳優の仲村トオルさんが石光真清を演じたドラマがあったようです。もっと取り上げてほしいものですね。

ちなみに、元総理大臣の故橋本龍太郎氏は、石光真清の子孫になります。そういうご縁もあるのですね。

非常にいい本を紹介していただきました。